鉄道ネガ、ネガフィルム（昭和などの古いもの中心に）

備考

国鉄D51形蒸気機関車と言えば、通称「デゴイチ」があまりにも有名で、その勇姿に憧れを抱いた思い出をお持ちの方も少なくないでしょう。蒸気機関車の代名詞ともいえる存在ですが、その歴史については多くのことをあまり知られていないのが現実では無いでしょうか。そこで本稿では、D51形蒸気機関車とその歩んできた歴史をご紹介しましょう。 国鉄D51形蒸気機関車は、国鉄の前進組織である鉄道省が設計製造した、テンダー式蒸気機関車のことを指しています。ボイラーに投入する石炭と水を搭載した車両を連結して運行するタイプの蒸気機関車です。貨物輸送を主な用途にしていますが、製造時期がちょうど太平洋戦争の時期と重なったこともあり、大量生産され国鉄の所属総数は実に1115台に達し、ディーゼル機関車多電気機関車の中にあって、現在でもこの数字は更新されていません。 戦時中は主に軍事物質などの兵站輸送を主な使用目的で製造されていましたが、戦後は様相が一変します。終戦直後は食糧難により地方での食材買出し客などの旅客の急増と、軍需物質輸送需要の消滅により、戦時中とは貨物と旅客の需要が逆転するわけです。この結果、戦時中は最優先で製造されていた貨物用機関車の大量余剰が発生するにも関わらず、旅客様機関車は深刻な不足に直面することになりました。これは戦争遂行の為の総動員体制の元で、1942年以降旅客用車両が製造されて居なかったからです。当面の旅客需要に応えるべく、1946年から1947年にかけて急遽約100両のD51形蒸気機関車が製造されました。 戦後は日本全国の鉄道路線に普及し、国鉄D51形蒸気機関車は、全国随所でその勇姿を目にすることが出来たほどです。戦後の一時期を除いて、本来の目的である貨物輸送列車に運用されることがメインでしたが、中央本線や函館本線などの急勾配な線路が続く区間では、旅客車両の牽引目的で運用されることもあったようです。東海道本線や山陽本線や東北本線では貨物輸送に活躍し、戦後の旺盛な物流需要を支えた歴史を持ちます。地域的に特徴のある運用に、北海道等の炭鉱からの石炭輸送にも、獅子奮迅の活躍を見せてもいるのです。 その後は電化やディーゼル機関車が鉄道輸送のメインになるに従い、余剰廃車が顕著になったのは1967年ごろとされています。1960-1970年にはSLブームの波に乗り、鉄道ファンやや写真家の多くがその勇姿に魅了される事になったのです。特に羽越鉄道などの日本の原風景が残っていた田園風景のさなかを走る勇姿をファインダーに納めようとする鉄道ファンも数多く見られたと言われています。 最後まで運用されていたのは、北海道の追分機関区に所属していた5機で、1975年12月24日が国鉄における最後の蒸気機関車両の走行となりました。蒸気機関車の代名詞であった国鉄D51形蒸気機関車は178両が各地の鉄道博物館や公共施設などで保管されており、現在でも嘗ての勇姿の一端を垣間見ることが出来ます。 国鉄D51形蒸気機関車などお写しになった古いネガ、ネガフィルムを探しております。 古いネガ、ネガフィルムの整理をお考えの方がいましたら、ぜひ当店にお売り下さい。